機器分析センター長 生駒 忠昭

 長年の念願でありました電子線マイクロアナライザーの更新が設備マスタープラン枠での平成20年度概算要求により実現しました。財務を含めた執行部のご尽力に深く感謝いたします。これまでの装置に比べ性能が大幅にアップしておりますので、広く研究に御活用願います。この機器の更新により、再び大型機器を共同導入・有効利用するという機運が高まってきております。センター所属のその他の大型分析機器であります質量分析装置と核磁気共鳴装置も老朽化が進んでいます。核磁気共鳴装置については、化学系研究設備有効活用ネットワークによる老朽化設備の復活再生も利用しつつ更新に努力していきたいと考えています。また、このネットワークは、全国の大学が所有する先端機器の相互利用促進を大きな目的として構築され、その充実が進められているところです。本学で設置の難しい大型分析機器については、この相互利用の積極的な活用をお願いいたします。

 機器分析センターではこれまでも、機器分析センター所属機器19機種についての詳細な性能・利用法の紹介や講習会の開催、機器分析相談室の開設、全学の共同利用可能機器リストの作成・紹介等共同利用に力を入れてまいりました。しかし、最近の大型分析機器導入の厳しい現実の前に、現有設備のさらなる有効利用の促進と、全学として優先順位の高い設備の計画的充実が必須になっております。そのための基礎となる資料作成のため、概算要求で設置された機器に限らず外部資金によって設置された機器も含めた全学の大・中型分析機器の詳細な調査を現在進めております。この結果を基に、教職員が使いたいと思った分析機器が学内のどこにあってどのようにしたら使えるか即座にわかる実質的なシステムを構築する計画です。このシステムを有効なものにするためには全学にある大・中型分析機器をできるだけ多く共同利用に開放して頂くことが何より大切なことです。多くの最先端の研究では複数の高性能大型分析機器の測定を必要とするものが多くなり、一研究室ですべてをまかなうことはますます困難な状況となってきています。このような状況からも、機器の計画的設置と共同利用の拡大による資源の有効利用は必然的なものであります。この調査と共同利用促進に一層のご協力をお願いいたします。このシステムが出来上がりましたら、次の段階として、特に共同利用度の高い機器について、維持・管理・更新を長期的にどのようにしていくのが最もいいのか、皆さんのご意見を聞きながら、実質的なシステム作りに尽くしていきたいと考えております。

 センター内の大型分析機器の効率的利用のために、大型機器に精通した職員と機器の集中管理ができる機器分析センターの建物が必須であります。大学当局には、センターの建物と、人員の配置を切にお願い申し上げます。


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