電子ゼミ2003C.Ishida
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高齢化社会についての報告
ia0400 〜年金から考える〜



    目次


    はじめに

    年金制度とは?

    スウェーデンを例に考える

    日本の年金の現状

    最後に

    参考文献








はじめに


 近年、年金についての不安感が、一般的に強まっているように思えます。
 テレビやラジオ等のマスコミ(メディア)を通じて、感心も強まるのではないでしょうか。
 個人的には、少々前までやっていた、江角マ○コ氏の「将来、年金がもらえないって、誰から聞いた?」(こんな台詞だったと思いますが・・・)と言うCMが印象的でした。
 いち年金納税者として、また、高齢化社会になりつつある現代において、確実に重大なテーマだと思います。
 そこで、「どうなる、どうする、どうしてゆくんだ?!日本の年金」(朝まで生テ○ビ風)をテーマに進めていきたく思います。
 また最後に、高齢化社会、特に年金制度とインターネットとの関係を記したいと思います。


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年金制度とは?


20歳になったら全ての人が加入します

 私たちはいつまでも元気に暮らしていたいと願っていますが、老後は必ずやってきます。
 また、病気や怪我で障害者になったり、一家の担い手を失うといった不慮の事故がいつ襲ってくるか分かりません。
 年金制度は、こうした時にお互いに助け合う制度です。
 そのため、国民年金には、日本国以内に住む20歳から60歳になるまで全ての国民が加入しなければなりません。
 国民年金に加入すると、<基礎年金番号>が決められます。
 これは、全ての公的年金制度に共通の、1人に1つの生涯変わらない年金番号です。


物価が上がれば、年金額も上がります

 物価が上がると年金額も自動的に上がる「完全自動物価スライド制」で、年金の物価は将来も一定の水準を維持されるようになっています。


被保険者タイプ分け

 @第1号被保険者 : 自営業・学生・農林漁業・フリーター・無職の人など。
 A第2号被保険者 : 厚生年金保険や共済組合に加入している会社員や公務員など。
 B第3号被保険者 : 第2号被保険者に扶養されている妻、または夫。


写真@MY年金手帳(表紙)です。
写真A年金手帳(中身)です。
えらくピンボケしてますが、アシカラズ。


老齢基礎年金

 60歳になるまで国民年金の保険料を納めると、老齢基礎年金を受け始める事ができます。
 老齢基礎年金は原則として65歳から受けられます。
 しかし、「企業の定年退職年齢が60歳」という人からすると、5年間の無収入期間が空く事になってしまいます。
 そこで、60歳〜70歳でも受け始める事は可能です。
 65歳未満で受ける事を『繰上げ受給』、66歳以上で受ける事を『繰下げ受給』といい、65歳から受ける本来の年金額よりも減額、  または増額された年金を受ける事になります。


※繰上げ・繰下げ請求をした場合の受給率の算出方法は次のとおりです。

 〈繰上げ受給〉 繰上げ受給 = 100% − (0.5% × 繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数 )
 〈繰下げ受給〉 繰下げ受給 = 100% + (0.7% × 65歳になった月から繰下げ申出をした月の前月までの月数)


最低25年以上の保険料納付が必要です

   老齢年金は、保険料を納めた月数と保険料の免除または学生納付特例を受けた月数を合わせて25年以上ある人に支給されます。


老齢基礎年金の額算定法

 老齢基礎年金の受給者の生年月日に応じて、加入可能年数が算定。基本は40年間。
 この年数が全て、保険料を納めた期間であれば、年金額は804.200円(金額は平成14年度。物価の変動に伴い、変更されます※)となりますが、保険料未納期間または保険料免除期間がある場合には、次の式で計算した額になります。
※ちなみに、平成15年度では797.000円でした。

@の式を参照下さい
※ページを開いたままの状態で、最初の表(「…@」となっている)が老齢年金受給額の計算式です。


※保険料納付済期間が25年に満たない人の場合

   以下@〜Dの期間(カラ期間等)と保険料納付済期間等を合わせて25年以上あれば、老齢基礎年金が支給されます。
 ただし、このカラ期間等は年金額の計算には入りません。
  @厚生年金や共済組合に加入中の人の配偶者が昭和36年4月から昭和61年3月までの間で、国民年金に任意加入しなかった期間
  A平成3年3月以前に20歳以上の学生が任意加入しなかった期間
  B昭和36年4月以後、厚生年金等の脱退手当金を受けた期間
  C昭和36年4月以後の海外住居期間(20歳以上60歳未満)
  D保険料の学生納付特例を受けた期間(追納しなかった場合)



障害基礎年金

 原則として、国民年金に加入中に初診日のある病気や怪我で障害者になった時に受けられます。
 なお、20歳になる前に初診日がある病気や怪我が原因で障害者になった場合は、一定の基準により20歳から年金が受けられます。


加入期間の3分の2以上保険料納付期間が必要です

 加入期間のうち、初診日の前々月までに保険料を納めた期間と保険料の免除または学生納付特例を受けた月数を合わせた期間が3分の2以上あるか、直近の1年間に保険料の滞納がない事が必要です。


障害の程度に応じて受給

 障害基礎年金の額は定額で、障害の程度が1級の場合は1.005.300円、2級の場合804.200円が受けられます。(※この障害の程度は、身体障害者手帳の等級とは異なります。)


子の加算額

   障害基礎年金を受けられるようになった当時、その加入者によって生計を維持されている子がいる時は、一定の金額が加算されます。
 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子か、または20歳未満で障害のある子が対象になります。
 加算される額は1人目および2人目の子は各231.400円、3人目以降の子はそれぞれ77.100円となります。(※年金額は平成14年度のもの)



遺族基礎年金


 遺族基礎年金は、国民年金に加入中の人、老齢基礎年金を受ける資格のある人、老齢基礎年金を受けている人が死亡した場合、その人の子のある妻または子が受けられます。子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子か、または20歳未満で障害のある子が対象になります。


加入期間の3分の2以上保険料納付期間が必要

 加入中の人が死亡した場合、加入期間のうち、死亡日の前々月までに保険料を納めた月数と保険料の免除または学生納付特例を受けた月数を合わせた期間が3分の2以上あるか、直近の1年間に保険料の滞納がない事が必要です。


年金額は?

子が1人ある妻は1.035.600円、子1人が受け取る場合は804.200円の年金が受け取れます。子が2人以上いる場合、2人目の子は231.400円、3人目以降は1人につき77.100円がそれぞれ加算されます。(※年金額は平成14年度のもの。)


国民年金のその他の給付


寡婦(かふ)年金:
  老齢基礎年金を受ける資格のある夫が何の年金も受けずに死亡した時、結婚期間が10年以上ある妻が60歳から65歳になるまで受給するもの。
  (夫の老齢基礎年金額の4分の3)
死亡一時金:
  保険料を3年以上納めた人が何の年金も受けずに死亡した時遺族が受給するもの。
  (保険料納付年数により、12〜32万円 ※付加年金は8.500円)
脱退一時金:
  第1号被保険者として保険料を6ヶ月以上納付した短期在留の外国人が何の年金も受けずに帰国した時に受給するもの。
  (保険料納付月数により、39.900〜239.400円)

※第1号被保険者が対象になります。


写真@年金証書表です。
写真A年金証書裏です。
またまた、えらくピンボケしてますが、アシカラズ。
・・・MYデジカメが接写できないものだったようです(汗)


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スウェーデンを例に考える


スウェーデン社会の特徴=「高福祉(『揺り籠から墓場まで』)・高負担」

   高福祉の名の通り、福祉・社会保障の質の良さは世界でも注目されています。
 しかし、それに伴う負担の大きさも見過ごせない事実です。
 これらの事をふまえて、もう少しスウェーデン方式について、詳しく調べてみました。


「高負担」とは?

 スウェーデンでは、国家予算の53%が税金から賄われています。
 もっと現実的・身近に言うと、給料(所得)から最低3分の1の30%から35%が最初から引かれています。(多い人は55%まで。)
 日本でいえば、厚生年金等に当ります※。
(※スウェーデンでは基礎年金は廃止され、税が基礎の保障年金になります。)
 つまり、3分の1から半分は税金として納めている事になっているのです。
 個人的には、高すぎる税率だと感じましたが、スウェーデンで最も税金が高かった頃は、(高給取りの人が)85%まで所得税として納めていたと言われています。
(これは社会民主党の方針として、沢山出せる人からは出してもらってそして平等化を進めた結果。)
 ところが、この政策に反対する政党・穏健党が、こんなに税金をとるともう社会民主党としてやって行けないという訳で、税制改革を行ないました。
 一番上の税率制限(15%)はされたのですが、それ以外にもスウェーデンでは、25%の消費税を払っています。(一般的にスウェーデンで消費されるものの全てに物品税がかかっているに等しい。)
 ただでさえ多くの所得税に、残ったお金から更に25%の消費税を払っている。一言で言えば、税金にがんじがらめにされている状態とも言えます。


「高福祉」とは?

 スウェーデンと日本との違いは、『無いところからは取らない。収入のあるところが支払う』という点にあります。
 つまりスウェーデンでは、収入の無い人は税金を払えない→年金の掛金等は一切いらない、という事です。
 逆にいうと、無収入者は「あなたは私の税金で生きている」という感じに思われやすい。
 なので、例えば日本の専業主婦(主夫)等、一生仕事をしないで生活するという事は、スウェーデンの社会では考えられないようです。
 だからとは一概に言い切れないかもしれませんが(※)、スウェーデンの生産年齢、つまり16歳から64歳までの全女性人口の76%が職業を持って働いています。男性が80%ですから、ほとんどの男性・女性が、職を持って働いていると考えて良いと思います。
(※)60年代に猛烈な経済成長を遂げたことが労働力不足の深刻化を招き、そのことが女性の社会進出の引き金になったようです。

   高福祉・高負担ということは、全員が自分のために働き、税金を国に納める。
 なので、必要な時や病気になっても(手術を何度やっても、何年入院しても)お金はかからない。
 子どもが何十人いても、子ども手当が出、学校はどんな学校に入ろうとも、どんなにお金がかかる学科に入ろうとも国家予算でやってくれます(=タダ)。
 それで老後のために貯金をしなくとも、最低の生活はやって行ける。(足りない場合は、住宅手当金が配当される。)
 そのように保証されているので、日本とスウェーデンでは、「個人貯金」と「国貯金」の違いとも言えるでしょう。

 また、スウェーデンではオレンジの封筒が毎年、政府から全国民に送られてきます。
 納税したお金がどこに、いくら使われたか明記してあり、自らの拠出実績が確認でき、将来受給する年金額がわかるようになっています。
 また、未納税者には罰則があることから、現段階では、全国民が納税している状態と言えるようです。


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日本の年金の現状


厚生労働省の04年 年金改革案

 厚生労働省は、04年の年金改革案で、離婚夫婦の厚生年金を分割する制度を盛り込む方針を決めました。
 さらに、年金を受給している70歳未満の会社員・役員から厚生年金保険料を徴収し、年金額を減額する現行の在職老齢年金制度を、70歳以上の「現役」にも適用することにするとか。

 離婚夫婦の年金分割は、中高年層の離婚が増加し十分な年金を受け取れない高齢女性が増えているため、女性の厚生年金受給権を明確に位置付けるのが狙い。
 現行制度では専業主婦の妻が離婚した場合、基礎年金(月額約6万6000円)しか受けられず、報酬比例の厚生年金受給権はありません。

 このため同省は、婚姻期間中に世帯で支払った保険料に見合う厚生年金については、一定割合を離婚した妻も受け取れるようにすることにしました。
 ただ、分割割合を離婚当事者同士の協議に委ね、調整がつかない場合は裁判所に持ち込むことになるため、実効性には未知数の部分が残ったままです。

 一方、在職老齢年金制度を70歳以上にも適用するのは、世代間の不公平感を緩和するのが目的。
 今年4月以降は、賃金と厚生年金の報酬比例部分の合計が月額48万円を超える場合、超過額の半分の年金を削減することに。

 このほか、同省は週20時間以上働いている短時間のパート労働者らを厚生年金に加入(現行は正社員の週の労働時間の4分の3以上)させることを検討していたが、短時間労働者を多く抱える小売業界などの反発に配慮し、今年の年金改革では一律に適用範囲を決めることを先送りする意向です。


国庫負担引き上げ

 基礎年金への国庫負担は現在三分の一ですが、これを〇四年から2分の1に引き上げることは、法律ですでに決まっていることです。しかし、これについては先送りする姿勢が強まっています。

 小泉首相は「一年間で上げる必要もない」と、先送りする考え。坂口厚労相も「2分の1への引き上げについては、数年かけて段階的に実現したい」と発言しています。財務省は「具体的な安定財源が確保されることが検討の大前提」と、引き上げに難色を示しています。


大幅給付削減(財務省)

 今回改革案で、大幅な給付の削減を求めているのが財務省です。
『国の支出を抑えるため、年金は高齢者の生活の「最低限」を支給できればいい』という考え方を強調。
 将来だけでなく、現在の年金受給者を含めた給付カットが必要だとしています。

 塩川正十郎前財務相は「生産性のない者に60%(の給付)を保障しているから、保険料が高くなり公的負担も大きくなる。40%でよいのではないか」と述べていました。
 小泉首相は選挙中に、厚生年金の給付水準は現役所得の50%程度、保険料負担は労使で20%程度をめざすと、考えを公示。これについて谷垣禎一財務相は、「過大な給付を出そうとすれば(財政の)能力を超えてしまう」と、できるだけ給付を抑制する必要があるとの考えを示しています。


国民年金の納税率

 ところで、そんな不安要素の強い今後の国民年金だが、現段階での納税率はどうでしょうか。
 現実、滞納者が増え、保険料納付率は、2001年度の60・0%が2002年度には56・7%へとダウンしているようです。
 また、今回の04年・年金改革案より、より一層の年金離れは否めないものと考えられます。

詳しくは、こちらのHPを参照下さい。


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最後に


 世界的に注目を浴びているスウェーデン方式年金ですが、日本は何故、この方式を取らないのでしょうか。
 一番大きな理由として、日本ではスウェーデンと比べ、専業主婦(主夫)などの働かない人の割合が高く、そういった人(未納税者)も同様に保障されるのは不公平、との見方が強いからです。また、自営業者の所得把握が難しいという点も挙げられます。
 しかし、個人的意見ですが、やはりスウェーデン方式には見習う点もあると思います。
 例えば、日本政府は「オレンジ封筒」のように、納税したお金がどこに、いくら使われたかを国民各人へ示す必要があるのではないでしょうか。
 今回の改革案で、納税額を上げること自体を悪いと言う気はありませんが、それにはそれ相応の保障が必要です。
 保障額を減らすというのは、年金への不信感が募るばかりで、納税者も減るのではないでしょうか。まさしく、悪循環だと思います。

 そこで、もう一つのテーマ、インターネットとの関係について、少々思う事を記したく思います。
 一見全く関係無く思える2つですが、インターネットの普及率を考えると、現在の年金不信には絶対不可欠ツールではないかと考えられます。
 上記の「オレンジ封筒」で考えると、人口の多い日本では不可能と処理されるかもしれません。
 しかし、ネット上やメール等も使用する事で、可能なことになるのではないかと考えます。

   ※・・・と思っていたら、中央政府機関のホームページではありませんが、こういった物がありました。
 ホームページ上で数字を打ち込むと、受給額結果が出てくるものです。国民年金受給額計算等の複雑な計算(面倒)など、高齢者には特に便利。

   また、老齢年金受給ですが、「本当に将来もらえるのか?」とよく言われています。
 ここで思うのですが、こういった不安はあくまで「年金制度」をきちんと理解していないだけであって、システム・現状を知ることだけでも不安解消に向かうのではないでしょうか。
 現に、私も情報収集には多くのホームページを参照させて頂きました。
 仮に分からないことがあったとしても、電話したり役所に行かずとも、訊ねることも可能です。
 もっとも、高齢者がインターネットできるか否かは別に考えるとし、例えば今現在、年金納税者(あるいは未成年者や未納税者)の立場から考えると、あらゆる情報が身近に、且つ素早く手に入る、考える「きっかけ」が必要なのだと思います。
 ちょっと前にTVで、ある事故を起こし障害者となった男性が、「年金を納めているべきだった」と言っていたのを思い出します。
 「絶対、年金を納めなければならない」という気はありませんが、少なくとも、知らずにいて行なわなかったために、将来必要となった時に後悔するのは、個人の意識次第で防げるでしょう。
 以上から、インターネットやメディアは今の年金不信にとって、重要なツールになっていると確信します。


写真@祖母です。
高齢化社会のイメージ画・・・のつもりです(苦笑



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参考文献

<HPより>

年金Q&A
国民年金基本です
国民年金って何?社会保険庁からのお知らせ
スウェーデン方式の年金改革
スウェーデンの社会保障
世直し! 老人党 公式サイト
国民年金受給額計算
払う価値ある? 国民年金が空洞化 - 年金改革
04年「年金改革」-年内に政府案とりまとめ-


<参考書>

「日本が生まれ変わる税制改革」森信茂樹
「現代福祉国家の国際比較 ―日本モデルの位置づけと展望―」埋橋孝文
「先進諸国の社会保障D スウェーデン」丸尾直美・塩野谷祐一
「高齢化社会と年金・労災補償」坂本重雄


<参考資料>

「年金手帳」 社会保険庁
「あなたの国民年金」〈平成14年度〉 長野社会保険事務局 社会保険事務所


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