新潟大学災害復興科学センタースタッフによる調査速報を掲載しています。
 
2008岩手・宮城内陸地震調査速報
奥州市衣川区餅転地内の餅転橋での道路の変形.橋に押されたことにより,橋台のコンクリート基礎が写真奥側に傾斜しており,橋台コンクリートの端にあたる部分の路面が変形している.
奥州市胆沢区若柳地内の液状化による浄化槽の浮き上がり.
奥州市衣川区・北股川右岸斜面の表層崩壊
奥州市衣川区・増沢ダムのダム天端の変形
奥州市衣川区・増沢ダムのダム天端の変形
奥州市衣川区餅転地内の田面の変形.畦畔の補強部分の下側には蛇かごがあり,以前にも崩壊を起こしたものと推定される.また,複数個所の田面の変形方向,背後の地すべり地形頂部での亀裂の存在を考慮すると小規模な地すべりによる変形の可能性が高い.
奥州市衣川区餅転地内の餅転橋下の田面の変形.地すべり性の変形か,構造性の変形かを確認する必要がある.変形手前の河川護岸は変形していない.
<6月16日の報告>
2日間の調査による要点整理
斜面災害:荒砥沢ダム上流の地すべりを除いて,川沿いの表層崩壊と落石が多い.斜面災害の分布は余震域とほぼ一致する.余震域外はもともとの崖の一部の不安定部分が落下したものと推定できる.
住宅被害:余震域の中で,斜面災害が多く発生している地域においても,住宅被害は外見上軽微である.瓦屋根のぐしの落下被害程度.礎石建ち・築50年以上のものでも外見上の被害がほとんどみられない.4000ガル以上を記録した観測点付近でも,住宅被害は軽微であった.屋根がトタン葺きで軽量であることも幸いしているが(萱葺屋根からトタン葺き等に変更したもの),構造的に古いもの(能登半島地震や中越沖地震では倒壊していたタイプ)でも外見上の被害が軽微である.これまでの地震被災に比べて,建物が構造的に強かったわけではなく,地盤の効果や地震動の周期の特異性が大きいと考えられる.
地盤災害:液状化や道路盛土の変形は少なかった.栗原市鶯沢工業高校で盛土の崩壊は,今回の地震災害の中では規模が大きい.学校は大きくは3段のひな壇造成で,グラウンド,校舎,実習棟がありそれぞれの段で亀裂が認められる.亀裂斜面下に住家がある.
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卜部准教授ら(卜部厚志・高濱信行・和泉薫・河島克久・福留邦洋・鈴木幸治)による報告(6/16)
 :掲載は6月19日